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恋する音楽vol.6 終演致しました。

遅ればせながら

和歌山のコンサート
リュスモーネさんにて

恋する音楽Vol.6終演致しました。

共演頂いたのは、リュートの佐野健二さん。
佐野さんと、
関係者の皆様に心より御礼申し上げます!

お聞きくださった方々から

バロック音楽のCD、特にマッドソングを入れて録音してほしい、と
言って頂き

もうびっくり!

嬉しすぎ…

マッドソングって一生かけて追求してゆきたいのですが

中々お客様には(気が狂った人の歌なので)ハードではないのだろうか、と
いつも躊躇する分野ではあるのです。

 

 

ロンドンにいた時も感じたのですが
イギリス人もあまりこういう赤裸々なものは
歌いたがりません。

コンクールの後で

「Akikoは凄いねえ〜、よくこんなの、表現して歌えるねえ」と言われ

その「凄い」の意味がわからず

ああ、そうか
イギリス人は母国語だし、感情の怒涛の露出は恥ずかしいよね。
そしてそれが、このような音楽を歌う時、
芸術様式も踏まえつつ
でなければならない難しさって、大きいよなあ。

私は外国人だから、母国語じゃないから、
自分の感じる表現で歌えたのかもなあ。

と、強く感じた記憶があります。

なので、実は有名な歌手がバービカンセンターで同じ曲を歌ったのを聞いて

うーん。

なんか、この方のマッドソング、小綺麗すぎて…
私的には、もうちょっと羽目外した方が好きだなあ。
でもなあ、下品はダメだよねえ…
際どい感じかなあ。

と、
このジャンルの奥深さ、というか底の深さに

「これは一生ものだな。

経験や人間性を加味してゆかなければ、これらは特に豊かな歌にならない。

何を感じ、何を選択するか、本人次第だな。

40歳と50歳で同じクオリティの歌を歌うなんて、考えられないジャンルだ。」

と、課題の大きさに
ズーンと重い足取りで演奏会場を後にした記憶があります。

 

 

話が少し逸れましたが

もしマッドソングがリスナーにとってハードであるならば

私はそれをどう持って来るか。

日本で歌う場合
まず英語の壁があります。

しかも、シェイクスピア時代の英語ですから
英語に堪能な方でも、部分的にはご理解いただけると思いますが
結構難しいです。
ネイティヴでも素養がないと完璧には分からないと思いますし
私も知らない曲は、一回聴いたくらいではとても分かりません。

平安時代の日本語で歌われても
はーい、分かりませーん
って元気に手をあげる自信があります!

まあ、そんな感じでしょうか。

そこをあれこれ、考え、工夫し、曲に落とし込んだ結果

「あのマッドソングが非常に面白かった。素晴らしかった。」

と、コメントを直接言ってくださったのは
ルネサンス・バロック音楽を学ばれたことのない
お坊さま。

なんだか、言葉も音楽も不思議で、

一番難解なのでは、といつも悩んでいたマッドソングが

一番、お伝えしたい感情が伝わったみたいで

ああ、50、60歳(歌ってるかどうかわからないけど)の

その年齢の、その年齢にしか歌えない

充実したマッドソングを歌えるために

私はこれから

何を感じ

どう生きようか。

と思いました。

 

 

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