自分に戻る。歌うことの奇跡。
2018.06.24. |
先日のレコーディングで
時間も無くなってきたし、精神、体力的な疲れもピーク。
そんな中、奇跡みたいな録音が一つ取れました。
その時は、すべて何もかも、ものすごい勢いで横に置いて
自分自身に、魂に集中できました。
あの恐ろしい状況で、あんな歌を歌うことは、もう2度とできないかも。
とにかく、この録音の仕方は修正ができない。
それがプレッシャーで、プレッシャーで。
歌は楽器と違って、
発音で、表現で、感情で、一つの音程が何万種類へ変化します。
それをまた伴奏楽器と、その瞬間瞬間で合わせてゆくという…
技術に傾くと、表現の自由は阻まれ
表現に傾くと、CDにはならない。
楽器は楽器の苦労があるのはわかるけど、
心から羨ましいのは、
「ド」の音の場所に触れれば「ド」の音がダイレクトに出ること。
あ、リコーダーとかは違いますけど。
まあ、ピッチを作る穴がちゃんとあるので、歌よりは区分けされています。
体そのものが楽器。
時間や疲労によって声は
朝と夜の録音では、声はどんどん変わってゆくし。
とにかく、変化が激しい大変な楽器なのです。
でも、それだからこそ
言葉と音楽とのバランスのハードルがシビアな唯一の楽器。
全ての人が平等に持っている楽器。
人間の声はものすごいエネルギーの塊なのだと思います。
確かに、あの瞬間は奇跡だったなあ…